古都京都の文化財とは

世界遺産とは、文化遺産や自然遺産を人類全体のための遺産として損傷・破壊等の脅威から保護し、保存していくための国際的な援助及び体制を確立することを目的に、世界遺産一覧表に記載された遺産のことです。
京都は794年から1868年にかけて天皇が居所をおいた日本の首都であり、武家政権が政治の中心を鎌倉と江戸に移した時期以外、文化・経済・政治の中心として繁栄しました。千年以上にわたる日本文化の中心地として、日本の木造建築、特に宗教建築の発展、及び世界の造園の芸術性の発展を示しています。
「古都京都の文化財」は1994年、日本で5番目の世界遺産として登録され、京都府京都市、宇治市、滋賀県大津市の2府県3市に所在する17社寺城で構成されています。

賀茂別雷神社(上賀茂神社)

京都で最も歴史ある神社で、平安京創設以来、国家鎮護の神社として朝廷の崇敬を受け、11世紀初頭までに現在に近い姿に整えられました。江戸時代に建てられた社殿が数多く現存しています。

賀茂御祖神社(下鴨神社)

賀茂別雷神社とともに「賀茂社」として国家鎮護の神社として崇敬されました。流造りの本殿は国宝。また多くの文化財や、太古からの植生を残す「糺の森」など、古代の息吹きを今に伝えています。

教王護国寺(東寺)

平安京造営に際し国家鎮護のための官寺として建設され、空海が真言宗寺院としたもので、平安時代以来の寺地を守るとともに、江戸時代の金堂や五重塔などが現存しています。

清水寺

8世紀後期の創建で、「清水の舞台」で知られる寺院です。清水の観音として平安時代以来庶民の参詣が絶えず、地主神社も含めて15世紀から17世紀の建造物が現存しています。

延暦寺

788年、都の鬼門にあたる比叡山中に最澄により開かれた天台宗の総本山で、国宝的人材育成の学問と修行の道場として、名僧を多数輩出してきました。16世紀から17世紀の建造物が現存しています。

醍醐寺

874年に山上に開かれ、10世紀初めに山下に伽藍ができ、勅願寺となりました。京都府下に現存する最古の建物である952年建立の五重塔をはじめ、17世紀までの建造物が現存しています。

仁和寺

888年宇多天皇が建立した寺院で、天皇も譲位後仁和寺に入寺し第一世となります。1613年造営の内裏紫宸殿が移築され金堂となりました。他にも1640年代の建造物が現存しています。

平等院

貴族の別荘を起源とし、藤原頼通によって1052年に寺院に改められ、翌年には鳳凰堂が建てられました。鳳凰堂のほかに鎌倉時代に創建当時の本堂跡に建てられた観音堂が現存しています。

宇治上神社

平安時代から続く神社で、平等院の鎮守社として社殿が整えられました。平安時代後期に建てられた現存最古の神社建築である本殿のほか、鎌倉時代の拝殿や摂社が現存しています。

高山寺

建永元年(1206)に明恵上人が後鳥羽上皇の勅願により開山した学問寺で、国宝「鳥獣人物戯画」など国宝・重要文化財一万二千点余を所蔵しています。境内には明恵上人時代の遺構である国宝「石水院」や、日本最古の茶園が現存しています。

西芳寺(苔寺)

731年、行基菩薩が法相宗の寺として開山したのを起源に、1339年に夢窓疎石が再興した禅宗寺院です。金閣や銀閣などの庭園の原型になったとも言われており、苔寺として知られています。

天龍寺

足利尊氏が1339年に後醍醐天皇の冥福を祈るために創建した臨済宗天龍寺派の大本山です。夢窓疎石の作った庭園があり、日本で最初に史跡・特別名勝に指定されました。

鹿苑寺(金閣寺)

1397年に足利義満が築いた別荘を寺院としたもので、舎利殿「金閣」を中心とした庭園・建築は極楽浄土をこの世にあらわしたと言われています。

慈照寺(銀閣寺)

1482年に足利義政が築いた別荘を寺院としたもので、相国寺の塔頭寺院の一つで、東山文化の真髄たる簡素枯淡の美を映す一大山荘です。

龍安寺

細川勝元が1450年に創建した禅寺です。石庭として有名な方丈庭園は三方を築地塀に囲まれた枯山水の平庭で「虎の児渡しの庭」とも呼ばれており、白砂に15個の石を配した名庭です。

本願寺(西本願寺)

1591年に京都の現在地に移転した浄土真宗本願寺派の本山寺院で、16世紀から20世紀の指定建造物と名勝庭園・特別名勝庭園があるほか、境内は史跡に指定されています。

二条城

1603年に徳川家康が造営した城で、1627年の行幸の際に現在の規模になりました。国宝・二の丸御殿や特別名勝二ノ丸庭園があります。

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